『キンキーブーツ』2019年公演 感想 最高にハッピーな時間を!
初演はスルーしたので、今回初観劇でした。
2019/05/22 オリックス劇場にて。
お試しのつもりだったで、D席をチョイス。
3階、通路を挟んで最後のブロック、1番下手の端。
オリックス劇場は(多分)初だったのですが、思ったよりはこじんまりしてるな、と。
今年になって愛用中の5倍の双眼鏡で、なかなか見やすかったです。双眼鏡をのぞいてもほぼ全体見えるのが良い。そして明るく綺麗。
感想はネタバレあり。
出演
チャーリー・プライス:小池徹平
ローラ:三浦春馬
ローレン:ソニン
ニコラ:玉置成美
ドン:勝矢
ジョージ:ひのあらた
パット:飯野めぐみ
トリッシュ:白木美貴子
ハリー:施鐘泰(JONTE)
エンジェルス:穴沢裕介、森雄基、風間由次郎、森川次朗、遠山裕介、浅川文也、佐久間雄生
ヤングチャーリー:岩間甲樹、山口祐輝、若林大空
ヤングローラ:犾守大空翔、高畑遼大、阿部カノン
スタッフ
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン
音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
日本版演出協力/上演台本:岸谷五朗
訳詞:森雪之丞
感想
もうすっごくブロードウェイ!!!
ここイギリスよね??イギリス感はどこへ??と思うくらい、まさにブロードウェイミュージカル!!これぞアメリカ!!
まあブロードウェイで作られたし、そりゃそうなんですけど。
私、基本的にミュージカルは暗めの作品が好きなんですよ。
レ・ミゼラブル、オペラ座の怪人、エリザベート、モーツァルト。サウンド・オブ・ミュージックやオリバー!、ジャージー・ボーイズなどは、曲は明るくても内容は暗めだし。
まあこれは完全なる私の好みなんですけど、超ハッピー!!な感じのブロードウェイミュージカルって、あまり私のツボにははまらないわけです。
で、それがなんでこんな思いっきりブロードウェイ感満載の作品を観に行ったかというと、FNS歌謡祭です。あの番組で観たパフォーマンス、何より三浦春馬が、なんかすごかったから。
テレビでもあのオーラ。これは生で観てみたいなと思って、激戦らしいと聞きながらも抽選に申し込んでみたら、当選しました。1番安いD席だったのも良かったのかも。
で、ここまでが相変わらず長い前置きなんですけど。
いざ観てみたら、やっぱり前述のように「ブロードウェイミュージカル」感満載。
一幕を観てる時は、作品に対しては、「うん楽しいし、たまにはこういうのいいよね〜」という感じ。
映画を観ているので(もうだいぶ忘れてたけど)内容はおぼろげに頭に入っていましたが、ジェンダー問題やドラァグクイーンの差別問題を取り扱いつつハッピーに仕上げる、まあ王道っちゃ王道の作品ですよね。
(ところで映画では、ローラ役はキウェテル・イジョフォーが演じていましたが、黒人差別的な話もありましたっけ??忘れた・・・。ブロードウェイでは黒人俳優が演じてるのでしょうか?ちらっと見かけた映像はそうでしたが、いつもそうなのかな?)
それが二幕で、あっさり心奪われました。二幕での各人物の確執や葛藤、変化などが良いんだなぁ。
そしてもうラスト・・・。予定調和だし、みんな観ててこうなるだろうとわかっている、なのにあの、ローラの登場での感激はなんなんだろう。
嬉しい?楽しい?やっぱりあまりにもハッピーで。
私はいつも舞台や映画を観ていて、テンションが上がりすぎたり、楽しすぎたり、幸せすぎたり、ポジティブな感情でもすぐに泣くんですが、今回もラストめっちゃ泣いてました。
観客の盛り上がりも凄い。あの一体感が、また良いんですよね。ジャージーボーイズ(こちらとか、こちらをどうぞ)を思い出しました。生観劇でしか味わえない感覚。
一幕ではどうしようか悩んでいたCD、二幕観てたら即「買うわ」ってなりましたよね。
ただ、曲自体はそんなに好みではないです(笑)が、CDで繰り返し聴いてるうちに、じわじわとハマってきてる感はある。あと生舞台を観てしまったせいで、Raise You Upは聴くだけで泣ける体質になりました。
あとショーシーンは最高だけど、いくらか歌詞が聞き取りにくかったです。席の位置のせいはあると思います。一番下手だったので。
今回はお試しって感じだったので席も遠いし見下ろすし、一回しか取ってなかった。次また再々演がありましたら、次は複数回、そのうち一回はS席で観たいです。あれは1階席なら更に盛り上がりが凄い、私知ってる、ジャージーボーイズで経験してる。
ただし再々演も、主役二人は変えないでくださいお願いします。
三浦春馬Twitterでこんなツイートあったので、期待してよろしいですか?
キャスト感想
三浦春馬 as ローラ。
ひたすら凄かった。期待通りというか、期待以上。一幕は割と冷静に観ていたけど、彼の登場にはとても興奮した。
あまりにも圧倒的な、輝き溢れるオーラ。華やかで美しく、そのオーラですべてをなぎ倒せそう。向かってくるものすべてを倒せそう。
彼をローラにキャスティングしたの、本当に素晴らしいです。
男性の格好で工場に初登場するシーンは、一気にしゅんとした感じ。居心地が悪そうで、鎧をはぎ取られたよう。無防備で、悲しそう。
あんなに自信たっぷりに見えていたのに、不安なんだな。辛いんだな。
三浦春馬は演技が上手すぎです。あの輝くオーラ。そして自信なさげな青年。ローラの複雑な心がよく伝わる。
歌も、声自体はそんなに私好みではないのですが、すごく通るしっかりした声で上手い。
FNSでびっくりしたダンスも最高。惚れる。
この人何かできないことあるんですかね?
男性の格好で初登場した後、トイレにこもってしまう。
その後のチャーリーとのデュエットでは、全く違うように見えていた二人が、実は似たもの同士なのかもなあ、と思わされる、良いシーンでした。
父親の望み通りになれなかった、ならなかった二人。それが共通点。
このデュエット後の登場は、男性の格好でもいつものローラ。
輝き、自信溢れるローラ。その場所に自分の味方がいるとわかるだけで、また強くなれる。
三浦春馬のゴージャスかつ繊細な演技が素晴らしかったです。
小池徹平 as チャーリー
もう、かわいい。『デスノート The Musical』(その感想はこちら)での意外性と違い、こちらはいかにも私の、世間一般の想像する小池徹平って感じ。
小池徹平も声の通りが良い。芝居も良い。
二幕が良すぎました。一幕は三浦春馬のオーラに圧倒されてたけど、二幕の小池徹平がめっちゃ良いです。必死で、荒れまくって、ひとりぼっちになって、そこからのソロナンバーがとても良かった。とても苦しくて、いっぱいいっぱいで。
そしてそこからのあのラストのショーは、やっぱり胸にくるものがあります。
ローラの登場もそうですけど、その前にチャーリーが「自分がブーツを履いてステージに立つ」という選択をしたことが、とても輝かしくて、眩しい。
そしてローラの登場。ここで、しっかりと結ばれた、二人の絆を感じることができました。
ソニン as ローレン
ソニンすごいです。私が知ってる彼女(そんなに多くはないけど)と全然違います。何かが乗り移ったかのよう。どこかで「本家を完コピ」って読んだけど、なるほどね〜って思います。
FNSで聴いたとき、「ここまで癖のある歌い方する人だっけ?」と思ったのですが、こういうことだったのですね。コメディ的な立ち位置で、演技も振り切っていて、こんな役できるんだーと驚きました。
勝矢 as ドン
ミュージカルらしい美声です。
一見悪役ですが、ローラと戦い、最終的には彼を受け入れる展開、そしてひとりぼっちになったチャーリーの元に皆を呼び戻し、更にラストのあのショーでの登場なので、かなり美味しい役です。
偏見にまみれているようで、ローラに言われたとおり受け入れる努力をし、本当に受け入れるあたり、更に皆を呼び戻すあたり、実はかなりいい奴。もともと根はいい奴だったパターンです。美味しいです。
また勝矢さんがいい味を出していて、ドン好きです私。
『Just Be』で「自分が変われば世界も変わる」という歌詞、ドンが歌うのが良いです。
ほか
ニコラにかなりイライラしてました私。
こういうキャラクター好きじゃないんです、あなたのためといいつつチャーリーの気持ち何にもわかってない。まあチャーリーもニコラの気持ち分かってなさそうで、お互い様っぽい感じはしますが。
玉置さんは歌が上手く、このちょっとお高く止まったようなニコラ役にぴったりの、溌剌とした声と演技。
ジョージが好きです。影は濃くないけど、常にチャーリーのそばにいて、この会社を守ろうとするのと同時にチャーリーを支え、彼の助けになってる。「じいや」って感じです(笑)
これまたひのあらたさんが良い味!
ハリーは出番はワンシーンですが、声は私この施鐘泰さんが一番好きかも。伸びの良い歌声で、明るく、好きなことをして楽しく過ごしてるハリーの姿が、とても印象的でした。
そしてエンジェルスのみなさん!!最高!!三浦春馬が凄かったけど、彼らも最高で、彼らがいなければダメ。
みなさんスタイルが良くてダンスが上手く、美しいです。この作品を最高に盛り立ててくださったキャスト。
終わり
いやー確かに楽しかったです、キンキーブーツ。今度また小池徹平と三浦春馬で上演があれば、次は絶対一回はS席で観たい!!一階席で観たい!
そして千秋楽を終えましたね。おめでとうございます!皆様お疲れさまでした。
次の上演を楽しみにしています。
オリジナルブロードウェイキャストCD↓
映画『キンキーブーツ』↓