すきなくらし

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トニー賞受賞 ブロードウェイミュージカル『シー・ラヴズ・ミー』を映画館で! 感想

本場のブロードウェイ作品を映画館で上映する松竹ブロードウェイシネマの第一弾、トニー賞受賞、2016年上演のシー・ラヴズ・ミー
発表から公開まで延々待ち、更には大阪は東京より遅い上映だったのでまたまた待ち。先日やっと観てきました。

東京、大阪、名古屋の三都市のみでの上映の上、大阪と名古屋は東京より一ヶ月遅れ&一週間限定上映です。
いろいろ難しいのかもしれないけど、観れる人が本当に限られてしまって、勿体ないなと思いますね。せっかく映画館でやるのに。

とは言え松竹さんには感謝感謝です。
まさかこの作品を観られるとは。
トニー賞授賞式のパフォーマンスを見ていた時は、そんなこと夢にも思いませんでした。

もう今作は上映が終わり、次はオーランド・ブルームのブロードウェイデビューロミオとジュリエットの上映が発表されています。
(7/12より)

ちなみにこのシー・ラヴズ・ミー、アメリAmazonのプライムビデオでは観れるみたいです(以下リンク)。DVD出して欲しいですね〜。

https://www.amazon.com/She-Loves-Me-Laura-Benanti/dp/B075DGFS1L

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『シー・ラヴズ・ミー』 映画.com

出演

ローラ・ベナンティ
ザッカリー・リーヴァイ
ジェーン・クラコウスキー
ニコラス・パラシュ
ギャビン・クリール
バイロン・ジェニングス

スタッフ

監督:デビッド・ホーン
脚本:ジョーマステロフ
作曲:ジェリー・ボック

感想と内容メモ

映画ユー・ガット・メールの元ネタだというこの作品。
昔観たけど覚えてません(笑)(トム・ハンクスメグ・ライアンの出演で連想する、『夢で逢えたら』の方が好き。)

久々に、とても久々に、深いことは何にも考えず、ただただ楽しい作品でした。
いかにも、古き良きアメリカンミュージカル。
明るいラブコメ
ひたすら楽しかったです。

ザッカリー好きで観に行った私ですが、なんせもう全体のレベルが高いので、歌唱力や演技力には何も言うことないです、本当に素晴らしい。

コミカルに笑わせてくる場面が多く、本当にラブ「コメディ」でした。
明るくキュートで、衣装やセットもかわいいし、観てて飽きない。

※以下ネタバレあり

まず最初の各人物登場で、それぞれに起きる歓声がすごくて。みんな人気なんだーと思いました。(なんだこの感想)

社長は人なつこく、社員は皆仲良しで、うらやましい職場。
そこに入社してくるヒロイン、アマリア。彼女の積極性が凄い。いきなり押し掛けて働きたいから面接しろ、ってそんなのあり?昔のアメリカならありなの?今でもアメリカではありなの?
面接は出来ませんでしたが、チャンス到来とばかりに訪れた機会、素晴らしいセールストークで入社を勝ち取ります。

最初から主人公ジョージとアマリアは喧嘩ばかりですが、最初から同僚のシーポスは「互いが好き」と見抜いてます。凄い。私には無理だ。

まず手紙っていうのがやっぱりロマンチックですよね。
なんだかんだ言って、文章にはその人の人柄、心の奥深くにもつものが見える。手紙だから言えるいろんなこと。芸術性。
(文章で相手に惚れるのって、『シラノ・ド・ベルジュラック』なんか思い出したりして。)

さて、あの人なつこい社長、ジョージと仲良しだった社長が急に横暴になりました。特にジョージだけに。
というのは、奥さんの浮気相手をジョージだと思いこんだからなんですね。
気持ちは分かるが、確証が取れてからにしなさいよ、な早とちり社長。

この浮気相手は結局、別の社員ゴダーイでしたが、まあこの男の女たらしぷりというか、クソ男ぷりはひどいです。
同僚のイローナももてあそんでるんですよ。女は自分の都合の良いもの、と思っている、まさにクソ。
が、このゴダーイ、パフォーマンスで魅せます(中の人が)。あのテンション高い描き方のおかげで、憎みきれない人物になってるんですよね。まあ私は嫌いだけど(笑)
この人のせいで社長は自殺未遂ですからね。この明るいミュージカルの中で唯一ある、深刻で暗い展開。
結果的にはゴダーイはクビです、ざまーみろ。

このクソ男ゴダーイと付き合っていたイローナは別の相手を見つけて幸せになりますが、マジで良かったね・・・!
軽い男に引っかかりやすいタイプ、という描かれ方っぽかったので、誠実な男性と出会えて良かったです、私は嬉しい。

で、メインのジョージとアマリアですが、ジョージが、デート場所に先に来てたアマリアを確認したことにより、ジョージの方だけアマリアが文通の相手だと知ることになります。
そして自分が手紙の相手だと明かさずアマリアの元に押し掛け、結果相当な喧嘩。更に文通相手はここに来なかった、自分を見て帰った、と思ったアマリアは、深く傷つきます。

楽しいミュージカルだと言ったけど、ジョージとアマリアの言い合いにはかなりイライラしてました私。
二人とも悪い人間じゃないのに、お互いに対してだけものすごくイヤな奴になるんですよ。
イライラしながら、「とっとと恋心自覚しろ」って思ってました(笑)

翌日仕事を休んだアマリアの家にジョージが心配して訪れ、ちゃんと会話。お互いに初めて相手を意識、というか、好意を持っていることに気が付きます。やっとか!!遅いよ!!
「嫌いな人が好きなタイプに」なアマリア、「彼女が自分を愛している、自分も彼女を愛している」のジョージ。

それから喧嘩もせず、やっといい感じになっていく二人。
ジョージはずっと黙っていましたが、ラストのクリスマス(イブ?)、アマリアの家で、手紙の相手も来るというディナーに誘われているジョージ。
(なんとなくあしながおじさんを連想)

アマリアの書いた手紙の一節を口にし、やっと自分が文通相手であることを打ち明け、愛のキス、ハッピーエンド。

枝葉だとほかに、さっき述べたイローナは新恋人の存在で幸せ、配達員の青年アルパッドは販売員になれて幸せ、社長は…奥さんとは別れたけど、吹っ切れて楽しそうだからオッケー。ゴダーイは別ですが、みんなハッピーでオールオッケーな作品でした。

ちなみに私は脇役ですが、同僚のおじさんシーポスが好きです。皆より年上だけど偉そうではなく、身近で親しみやすい友人感というか。
イローナが新しい恋のことを歌ってるのを聞いているシーポスの表情が、とてもとても優しくて、大好きです。お父さんみたい(笑)親戚のおじさんとか?(笑)
ジョージとかなり仲が良く、最初のデート場所にも引っ張って行かれた。(そしてアマリアを確認)
そのくせ、社長へ奥さんの浮気告発文を出していたのがシーポスで、その理由が「ゴダーイがクビになれば自分は無事」というしたたかさも、また好きです(笑)社長が相手をジョージだと勘違いしたのは誤算だったようですが。

あとはあのデート場所のカフェ?レストラン?でのドジな店員。かわいい。なのにダンスが凄い。ダンサーなんですかね、あの人。
あの店での皆のダンスシーン、凄くて見応えあって、まさに見せ場、という感じ。

見応え、聞き応え満載でした。
好きなタイプの作品ではないですが、観て良かったし楽しかったし、DVD出るならまた観たいくらいですが、無理でしょうね…。

せめて日本のAmazonプライムビデオでも観れるようになれば嬉しいです!

次はロミオとジュリエット。観に行くかはわかりません。(映画館遠いし)