すきなくらし

映画、ドラマ、小説、舞台等の感想記録と、たまに雑記

本家ウィーン版ミュージカル『I AM FROM AUSTRIA』Blu-ray感想 ー 自分を取り戻して生きていきたい

宝塚で昨年やってましたね。

『I AM FROM AUSTRIA』


ウィーンオリジナルはLukas Perman出演で気にはなってました。Blu-rayが出ることも知ってはいました。
が、そのBlu-rayはリージョンフリーかつ、なんとなんと、日本語字幕入り
というのを発売後に知り、慌てて購入した次第です。

というか凄いな、日本語字幕入りって。 日本に需要あること知ってるんだな。
Mozart!も日本語字幕欲しかった……(笑)


今回もドイツAmazonにお世話になりました。
メモっておくと、
12/18に注文
12/23に発送
1/3に到着
です。
※ちなみに到着予定日は1/10とかでした…。

送料込みで3,340円!安い!最高!






I AM FROM AUSTRIA im Raimund Theater - Offizieller Trailer



スタッフ

作詞作曲: Rainhard Fendrich
脚本: Titus Hoffmann、Christian Struppeck


キャスト

Iréna Flury
Lukas Perman
Elisabeth Engstler
Andreas Steppan
Martin Bermoser
Dolores Schmidinger
Matthias Trattner
Karim Ben Mansur
Martin Berger



感想

※ネタバレあり


宣伝動画など見てても、ブロードウェイミュージカルっぽい雰囲気、ハッピー系で、あまり私の好みではなさそうだなぁと思ってました。(暗いのが好きなもので…)

だからハッキリ言って作品内容への期待はそんなにでした。 ただ諸々のCDのみで好きになったLukasを観てみたかった。

キャストのパフォーマンスへの期待はめっちゃ高かったです。ドイツ語圏ミュージカル俳優への信頼度が高すぎる私。


が!内容も良かった……!
意外と刺さりまくりました。泣いたし。


ストーリーとしては王道です。
一般人と世界的スターの恋。 一言で言うとこれ。

そしてテーマは「故郷」

国としての故郷だけでなく、家族、パートナー、そして自分自身……。あらゆる意味での自分のルーツであり、帰れる場所。

物語としては「ザ・王道!」としか言えない内容に、何故こんなに刺さったのか、私の言葉では上手く言い表せないです。
ただ脚本と演出が上手いんだろうなとしか言えない…不甲斐ない…。
王道の中にスマートに現代的捻りを入れていると言うのか。


女性としての生きにくさ、それに悶えて苦しんで、自分が何者か悩み、そして乗り越えていくパワフルさに惹かれるのは確かです。
近年こういう作品多いですが。

なんて言ったって私、ハッピーで可愛い『Blond』で泣きそうになりましたから。
スターを夢見た。でも選ばれない。ブロンドにして、男に好かれ、選ばれ、スターになった。人形のようにおとなしく、可愛らしく、みんなと同じ格好をして。
この場面のダンサーがみんなリカちゃん人形のようだったのが、なんとまあ皮肉を効かせた演出。
とてもとても可愛い曲、でもこの使われ方がひどく私には切なく、刺さりました。


それからやっぱり『I AM FROM AUSTRIA』。これで泣きました。
ジョージと出会い、自分自身を思い出し、取り戻していったエマ。ここで完全に彼女は「自分自身」に戻った。
この曲はオーストリアでは第二の国歌とまで言われているそうな。素敵な曲です。
自身のルーツに、自分自身に誇りを持てることは、本当に素晴らしいなと思いました。


こういう恋、こういうパートナーと出会えることは羨ましい。
自分を見つけ、失わない。自身を尊重し合える仲。

エマの強さも、ジョージの優しさも大好きだー。


もちろんハッピーエンド。
エマを束縛し、彼女自身から遠ざけていたマネージャーに一喝するところは、やっぱりスカッとしましたね。

でもエマというキャラクターは、決して気の弱い人ではない、バリバリ強いし、マネージャーにだって今までも散々訴えかけてる。なのにそんな人でも、なかなか取り戻せないんだなぁ…。


ちなみに一点だけ気に入らないことがあって、それがジョージと結ばれた後、パパラッチに囲まれた時のエマの態度。
あそこで真先にジョージを疑ったのが謎すぎる。
後の展開に必要だったんだと思いますが、あそこはそういう「物語展開」のための態度に見えて、あの流れは残念でした。
あと、誤解が解けたら謝れよ、と思った…。心狭い私。




演出が色々凄いし、面白い!それこそBlondのシーンで外に出て行くとことか。
舞台セットも凄い!綺麗!
ウィーン版Mozart!のBlu-ray観た時もビックリしたなあ…。
なんたるクオリティ。




さて、期待のパフォーマンス!はやっぱり皆さん良かったです!

主演エマ役のIrénaは、CDだけ聴いてるとそこまで好きでも(嫌いでも)なかったんですが、演技も合わせて見ると、なんとまあチャーミング。応援したくなる!

Lukasはね、凄いですね。
こないだも最新のエリザベートコンサートCD聴いてツイートしてたんですが、声がいつまでも青年ですね!爽やか好青年、演技もめちゃ上手くて本当に見れて良かった。
あとハンサム。知ってたけど。ハンサム(二回言う)。
あああとほんの数年、ウィーンミュージカルにハマるのが早ければ…。

他のキャストも、というか主要キャスト皆さん好きかも。
俳優自身をすごく好きになる、というのはなかったですが、皆さん役にハマりすぎててすんばらしかった! エマだけでなく、どのキャラクターもチャーミングですし!
マネージャーは除く。でもマネージャー役の彼上手いし声も好みでした。


ダンスパフォーマンスはこの作品の見どころのひとつ、というかメインだと思うんですけど、そこまでこういうダンスに興味がないので、そこのところの感動は個人的には薄かったです。
でも凄かったけど!!



曲はRainhard Fendrichの既存の曲を使用、いわゆるジュークボックスミュージカルです。
好みどんぴしゃではないけど、けっこう好き。
ちなみに先にCDで聴いてたんですけど、『Midlife Crisis』だけ知ってました。なんでだろ




期待値低めだった分、めっちゃ感動してしまいました。
本当に観て良かった…。映像出してくれることの有り難さ。
更に日本語字幕を付けてくださったことは感謝し切れません、ありがとうございます。 いっこだけBlu-rayで気になったのは、メニュー画面にチャプターがないってことですけど!ビックリしたよ!(笑)


こんなお手頃価格で手に入る。
興味湧いた方は是非是非御覧になってください!


I am from Austria - Original Cast Album Live

I am from Austria - Original Cast Album Live

  • 発売日: 2017/11/17
  • メディア: MP3 ダウンロード