すきなくらし

映画、ドラマ、小説、舞台等の感想記録と、たまに雑記

スペシャルドラマ『教場』 - 生徒役の熱演が最大の見所

フジテレビ開局60周年企画

『教場』



スタッフ

原作: 長岡弘樹 脚本: 君塚良一 演出: 中江功

キャスト

木村拓哉 工藤阿須加 川口春奈 林遣都 葵わかな 井之脇海 西畑大吾 富田望生 味方良介 村井良大 佐藤仁美 和田正人 石田明 高橋ひとみ 筧利夫 光石研 三浦翔平 小日向文世


ストーリー

ここで生き残った者だけが、警察官になれる。 警察学校という密室…そこで、何が起きたのか。必死のサバイバルが始まる―
“教場”と呼ばれる警察学校の教室。 冷酷無比な教官・風間公親(かざま・きみちか/木村拓哉)が務める初任科第198期短期課程の教場では、生徒たちが日々、早朝6時起床から激しいトレーニングにさらされている。何より厳しいのがルール厳守。その行動は、常に監視体制に置かれ、誰かのミスは連帯で責任を負う。携帯電話も没収され、外出するためには許可が必要。そんな辛苦ともいえる究極の試練が待ち受ける警察学校には、様々な背景を持つ生徒たちが様々な動機で集まってきている。
また、警察学校という閉塞(へいそく)した極限状態で生徒たちが抱える葛藤も様々。「警察学校とは適性のない人間をふるい落とす場である」と考える教官・風間は、生徒がトラブルを抱えた途端、退校届を突きつける非情な男だ。また、いつも生徒たちに突然理解しがたい指令だけを告げて、その場を立ち去ってしまう。次々とふるいにかけられる“教場”という名のサバイバルゲームを生き抜くため、生徒たちの秘密と思惑が渦巻き、いろいろな事件が巻き起こっていく…。
“風間教場”のクラスメートは30人。果たして最後までふるい落とされずに生き残り、何人の生徒が卒業証書を手にすることができるのか?さらに風間は、生徒たちが起こす事件の複雑に絡み合った真相を解決していくことはできるのか?そして、生徒たちに非常識ともいえる謎の試練を与え続ける風間の真の狙いとは?

(公式HPより)




感想

※ネタバレあり


キャストが発表された時点で、これは観よう!と思ってました。 お目当ては富田望生ちゃんと村井良大くんです。

あと『スカーレット』始まってから、林遣都くんと大島優子ちゃんが私の中でキテるので、このお二人とか。

和田正人くんとか佐藤仁美さんとか。

ぽろぽろと気になる俳優さんが多かったので。

ところで朝ドラ出演率高いね!(笑)



役者について

実はキムタクの演技見るの初めてでした。
日本のドラマも邦画もあまり観なかったので(最近やっとちょろちょろ観出した)。

最初観始めた時は若干滑舌が気になったけど、貫禄があって厳しく冷たく、でもその元となるところは優しい。上手くハマってたと思います。


が、良かったのはなんと言っても生徒役の皆さん!!

実力派演技派揃いですな!!

特に『スカーレット』コンビの林遣都くんと大島優子ちゃんが最高でしたね。
林くんはもう別人のようで、コンプレックスとプレッシャーに歪む青年が見事。カメレオン俳優なんやな。
でもメインキャラだと思ってたから(メインキャラだけど)、早々の退場にびっくり。

優子ちゃんはむかーし、AKB現役の頃たまたま見たとき「うわ下手……」って思ったので、その印象が強かったのですが、『スカーレット』がとても良くて、そして今回!またもうめっちゃ良かった……! 真っ直ぐなんだけど思い込みが激しく、それ故に過ちを犯してしまう。もともとのその真っ直ぐさと優秀さが出てる女性像でした。

お目当ての富田望生ちゃん、あんまり出番ない……?と思ったら後半でバッチリでしたありがとうございます。
この子ピュアな役が多い気がするけど、もう可愛くてたまらない! 友情にも恋にも、そして警官になりたいという目標にも、全てに純で眩しいくらい。
だからこそ彼女の行末は悔しかったよ……。

そんな望生ちゃんとの友情があった川口春奈ちゃん。
まー嫌な役!と思ったけど……。結局利用してただけでなく、枝元さん(望生ちゃん)のこと、友達と思ってたんだな。というか、枝元さんの方が真っ直ぐに自分を思ってくれたから、大事な友達だということをちゃんと認識出来たんだよな。
あと、あの素直さは、根は元々嫌な子じゃなかったパターン。

応援したいのは三浦翔平くん! 妻子抱えて、一から警官に転職、凄い。奥さんも凄い。
彼のあの役の真っ直ぐさも好きで、私はこういうキャラクターに弱い。 あと自分でちゃんと勉強の仕方考えたんだなって感じがさらに好感度高い。(オムライスのくだり)

生徒役での主役は工藤阿須加くんか。
主役である故にか、彼はキャラクター的にはあまり面白くなかった気はする←
けど彼自身の演技は良かったよ。

あとメインどころ……葵わかなちゃん、井之脇海くん、味方良介くんあたりか。
わかなちゃんは気弱で、でもあれ気弱なだけでなく依存性がある感じがすごく上手く出てたと思う。
井乃脇くんは、あの宮坂さん(阿須加くん)に銃突きつけるあたりのやばいやつ感と、普段のお調子者感、からの教官に撃たれる!というところのダメダメっぷりが、キャラクター的には定番だけど、割と好き。
味方くんね!私あまり観たことないけど、舞台の人じゃないですか。前半からけっこうこれメインだなと思ってたけど、めちゃめちゃ良い役貰いましたね……!あの不穏な感じからの、ラストの嘆きの告白。実は優しい人だなぁ。良かったです。

お目当ての村井良大くんですか?
役者としては彼も裏のある役を見たかったけど、あのキャラまで何か抱えてたらもーやばいんで。ストーリー的にはあれで良かったですよね。お気楽明るいクラスメイト。
村井くんやりそうな役(やってる)。 あと彼は特に何事もエピソードなかったのに、他のメインキャラと共に主要なとこで目立ってたのが謎でした(笑)


と、生徒役の熱演に目が奪われました。
今の若い人、上手い人多いのね!!
これだけでも観る価値あった。


和田くんや佐藤さん、更に随所随所の小日向さんが味があって好き。
光石さんも好き。



内容について

※ネタバレあり。



面白かったですよ。

それぞれの心の闇と、抱える問題と、上手くミステリ形式で描いていて、興味深かったです。
あと仲間意識が芽生えていくのが良かったなぁ。半年あの生活一緒にしてればね。


でも作りは連作短編集という感じで(原作がそうなのかな?)、スペシャルドラマで観るとややぶつ切りなようにも思えたから、いっそ連ドラの方が良かったかも。とも思う。

あと事件起きすぎ問題。
ここはどこぞの3年B組かな?


後編で、教場とは
「適性のない生徒を落とすため、ふるいにかける場です」
と言っていました。

しかし、教官が非情で「ふるいにかけてる」ようでいて、実際そもそもの問題が大きすぎて、そりゃ明るみに出れば退校だろ、というものが多く。ふるいにかける、適性云々以前の問題じゃないの?
まあ、教官が優秀だからそれが明るみに出たというのはありますが。

前編が特にそうで、それはもう…そりゃ問題だね!という生徒たち。 その点後編の方が、そういう事件的ではない、より内面的な話になっていて、個人的には好みでした。


ところですごく気になったのが、井乃脇くんが演じていた南原さんは連行されてましたけど、そもそも平田さん(遣都くん)と岸川さん(わかなちゃん)はいいの?
あれ捕まらないの?なんで?と、前編観ながら思ってました……。事件だよ……。退校だけでいいんでしょうか?


あ、あと教官があまりにも優秀すぎて、すべてを見透かしすぎて、少年漫画とかの主役っぽい!と思いました←



なんか文句言ってる感じにもなりましたけど、総じて面白かったです。

でもなによりも、役者陣の最高の仕事にありがとうございますと言いたい。