すきなくらし

映画、ドラマ、小説、舞台等の感想記録と、たまに雑記

『ジャージー・ボーイズ イン コンサート』2020年公演 感想

今更ですが感想を置いておきます。



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昨年、色々な作品をスルーして、今年のジャージーボーイズにお金を注ぎ込もうと決めていました。
でも思いがけないこの世界情勢、公演は中止。中止発表前から中止になるだろうと思っていたけど、やっぱりショックで。

そこにまさかの、コンサート版での開催。さらには信じられない、まさかの配信という形も。(ゴーディオさんありがとうございます)
最初はこのコンサートも、東京に行く気満々でした。矢崎さんの帝劇デビューもその場で見届けたかったし、ジャージーボーイズは私にとって特別だから。

でも色々考えて、悩んで、結果としては諦めることにしました。
劇場で、生で、観れないことが悔しすぎて、観れる人に嫉妬して、自分で諦めることにしたにも関わらず、悔しくて悔しくてたまりませんでした。

そんな中、最初の数日は無観客という形になったけど、なんとか公演が始まって。家からだけど、ジャージーボーイズを観れた嬉しさでいっぱいの中、なかなかその悔しさは私の中からなくなりませんでした。

それが完全にとは言わずとも、ある程度吹っ切れたのは8月1日。お客様が入っての、初めての配信。
この日は、観ながら心の中が感謝の気持ちでいっぱいでした。幕を開けてくれたこと、皆様が無事にこの舞台を届けてくれていること、この作品を観れること。
私もちゃんと観客の一員なんだって、家にいても思えて、本当に嬉しかったし有難かった。この日が今公演一番の号泣日でした(笑)
千秋楽では意外と泣かずに、この日が一番の涙涙の公演。嬉しくて胸がいっぱいで。
矢崎さんの帝劇デビューも、この日にやっと実感しました。矢崎さんが、帝劇のセンターでソロ曲を歌ってる……感慨深すぎてボロ泣き。

千秋楽。終わってしまったらロス状態になるだろうと思ってましたが、意外にも、それよりもとにかくスッキリとした気持ち。
もちろん寂しいけど。
いつ中止になるか分からない状況の中、予定通り終えられて良かった。



今回もジャージーボーイズは素晴らしかったのですが、内容自体はもう語りません。過去記事見て(笑)
役者感想はちらっと後述。

音楽がもう、やっぱり最高ですね。
物語も良いんですけど、はっきり言ってジャージーボーイズは私好みのストーリーじゃないんです。なのになんでこんなに惹かれているかと言うと、やっぱり演出で受けた衝撃と、役者と、音楽の良さなんでしょうね。そして、音楽への愛。

それぞれのソロ曲も、個々の持ち味が出ててとても素敵だし、グループ曲がもう!最高しか言ってないけど最高です!
Walk Like A ManとかDawnとかWho Loves Youとかもう凄いじゃないですか。震えますよ。
それで思い出したけど、今回チームBLACKで歌うBig Man In Townのハーモニーが異様に美しかったです。鳥肌たった。


WOWOW撮影チームも本当に素晴らしかったです。ありがとうございます。
日に日にカメラワークが良くなり、ああここ!そうそれ!という、痒いところに手が届く映し方。
ラストのフランキーの独白、「街灯の下で〜」のくだりを、暗闇の中スポットライトを浴びているフランキーの姿を後ろから映す。あそこは特に良かった……。あの台詞の情景が、そのまま目に浮かぶような映像。
他にもDawnの、皆が順に振り向いていくとことか。あの部分、最初の公演は見せてくれなくて焦りましたけど、途中から完璧なタイミングでしたし。
Cry for Meの下から撮るスポットライトとボブのコントラストの綺麗さとか。
ボブの「彼ら、彼女たちだった」のカメラ目線アップとか。
立ち去る前のニックを袖から撮るのとか。
アンコールのラスト決めポーズのバックからのショットとか。
もう最高でしたありがとうございました!




役者感想


中川

常に上手いアッキーさん。初日は本人比であれ?って気もしたけど、あとは全部素晴らしかった。
2年前より更に美しさに磨きがかかった感じで、あらゆるところで「おお……」と感嘆の声が(心の中で)。美しい……よく出ますねあんな声。
あ、最後の数公演のC'mon Marianneの声!あれ最高でしたね〜。あのアレンジがね、かっこいいです。
「僕とパートナーシップを結ぼう」で矢崎さんをいじりまくってて、仲良くなったんだなぁと嬉しい気持ちでいます(笑)


藤岡

待ってました藤岡さんのトミー!帰ってきてくれて本当に本当にありがとう!
このヤンキー感最高〜クセになるんですよ……。
本当にハマり役ですね。歌も当然の上手さでマジでありがとうございます。
本編映像、トミーとニックのシーン多めでしたが、本編での藤岡さん芝居上手すぎる…好き…。歌も芝居もどちらも大好きなので最強です。
藤岡さんとアッキーさんの仲の良さだったり相性の良さだったり、気の許せる二人の間の空気感が、フランキーとトミーの関係に照らし合わせるとグッときますね。
カテコのCan't Take My Eyes Off Of Youでいつもアッキーさんとハモるのすごく良い。あとEarth Angelでどんどんアレンジ効かせてたのめちゃめちゃかっこいい。アーティストですね〜。
千秋楽の挨拶、人のことは散々いじるクセに自分はめっちゃめちゃ真面目なコメントしてたそんな藤岡さんが大好きです。締めではふざけてたとこも大好きです(笑)


尾上

とにかくキャラが濃い。自由人だし面白い人で、こっちもクセになる。トミーとしても良い。
歌も悪くないけど、この濃いキャラが良いから、この人もすごく本公演で見たいです。
とにかく癖が強いけど、なんか愛しくなるタイプ(笑)トミーはこういうタイプ多いですね。
私再演の時の感想に書いた気がするけど、ジャージーは4人(役)とも好きじゃないんですがトミーはなんか気になって仕方ないんです。酷いけどその酷さがもう可哀想……って感じになる(笑)右近さんも良いトミー見せてくれそうで、期待が高まる。
アドリブでばらされてましたけど、藤岡さんに「大好き」ってメールしてたそうですね(笑)かわいいな!!藤岡さんやっぱり兄貴やわ~。


矢崎

Cry for Meは安定の素晴らしさ。この曲が矢崎さんの声のキーにピッタリなのか、一番の美しく響く。
December, 1963は、私的にはもうちょい余裕欲しいなーと思って聞いてます。でもこのコンサートでは、ステージ上を走り回ってたのも可愛いし、アンサンブルに「さんはいっ」ってやってるのも可愛いし、やることなすこと可愛かったです。あんなボブは矢崎さんだけですね。海宝くんも東くんも、この曲をコンサートで歌うとしても多分走らない(笑)
これは私の気のせいというか、自分の気持ちが投影されてたのかもしれないけど、千秋楽では矢崎さんがこの歌の時今にも泣き出しそうに見えて、それを見て私は多分初めてこの曲で泣きました。まあ多分気のせいだったんですけど。歌のところ以外では感じなかったので。でも私は泣いた…。
An Angel Criedは、7月の配信では大丈夫か!?って思ってました(笑)今にも声が出なくなりそう、いっぱいいっぱいって感じで。2年前のコンサートの時はもっとスパーンと出てた気がするんですけど、生の迫力でそう思ったんですかね……?でも8月は比較的声出てましたし良かったです。
この後のTranceの歌声好き!ワイルドさ効かせてて。
このBackup Sessionsの時踊りまくってるの超可愛かったですね~!!

やっぱり矢崎さんは歌も好きだけど芝居が好きだし、今回も芝居でも魅せてくれたけど、本編がめちゃめちゃ観たいですね……。
前半の若い爽やかなボブも可愛いし、後半の自然に落ち着いた演技素晴らしい。(本編だとこの自然な変化(声のトーンとか凄い)に最後気づいて、うわってなるんですよね、毎回……。) Stayで泣きながら去っていくのがもう……。
あと千秋楽はOpus 17の「僕は平気さ」のハモリ歌いませんでしたよね?あれなんかグッときたな……。

8月4日の挨拶で、いじられキャラが分散したって言ってましたけど、やっぱりいじられキャラでしたね。
カテコだけでなく、なんならコンサート中もアドリブでいじられている(笑)
フランキーとの「僕とパートナーシップを結ぼう」の時、アドリブのやり取りでくっしゃくしゃの笑顔になった時があって、もう可愛すぎてニヤニヤしてしまいました(笑)
この挨拶の時、笑いにも溢れてたけど、とても良いことも言っていて。Who Loves Youの「探せ」の時に振り付けで手を伸ばす、その先にお客さんの顔が見えて……というような。記憶がもう怪しいしもう一度全部挨拶聞きたいんですけど、公式さんは千秋楽のカテコしか動画あげてくれないですね……悲しすぎる……。
あと新キャストめっちゃ褒めてたし、それから藤岡さんと仲良しだねニヤニヤしちゃいました!


歌が上手い!とにかく声が好みです。 矢崎さんとのCry for Meは2人の声の相性も良くて素敵だったし、2年前は海宝くんが歌っていたMy Eyes Adored Youもとっても素敵。
最初はちょっと気取った感じだと思ったんですけど、何回も見てると案外可愛いかもって。ボブらしい、滲み出る坊ちゃん感。
回を追うごとにこなれてきた感じありました。


spi

spiさんのBeggin'ね!声はそんなに好みじゃないんですけど、とにかく迫力があって情感こもってて、めちゃめちゃかっこいいんですよね。
グループから離れて、立ち去るとこの芝居がすごく好きです。カメラワークも良かった……袖から撮るのとても良かった……。
ウィンクがハリウッドスターみたいでいつも撃ち抜かれます(笑)


大山

第一印象があまりに「陽」で、なんかもう歌ってるところは「歌のおにいさんか!?」と思いました(笑)
私のイメージするニックとは違いすぎて、ある意味度肝を抜かれました。でもアリかも……。
この人の語り口はすご〜く好き。芝居……観たい……。
でも歌も好きです。Opus 17の「時を戻したい〜」を7月の配信時は下げてきてたけど、8月からは上げてたので、とてもテンション上がりました。大好きな曲だし、ここは高い方が良い。出るんじゃんまさし!しかも綺麗に!



結局観ていたらみんな好きになるんですよ!!
まさに「みんな違ってみんないい」。
一番好きなのはやっぱり矢崎さんだし、藤岡さんも大好きだし、でもそれぞれの魅力がとても出ていて、結局惹かれちゃうんですよね。
みんな本公演観たい……。



アンサンブル

今回アンサンブルの上手さをすごーく実感しました。
もちろん前から分かってたけど、今回改めて感じた。多分配信での鑑賞、アンサンブルもカメラが多く抜いてくれたからかと思います。存在感があった。そんなカメラワークも最高でしたね……。
もう皆さん素晴らしすぎて、あなた達のお陰でこの厚みのあるハーモニーが生まれてる!!ありがとう!!って思いながら観てました。






まとめ

本当に本当に、ジャージーボーイズカンパニーには感謝してもしきれません。
この作品を届けて下さってありがとうございました。
この灯りがいつまでも消えませんように。

絶対あると信じてる、チームBLACKとGREENの本公演待ってます!
その時は劇場に行ける世の中になっていますように。皆様無事に過ごされますように。




おまけ

帝劇コンことThe Musical Concert an Imperial TheatreのProgram Bを配信で見ました。
お目当ては藤岡さんはじめJBメンバー。水曜の一回だけでいいやーと思ってたのが、あまりに素晴らしかったので、結局千秋楽も鑑賞。
色々感想はありますが、ここではJBのことだけ。


アッキーさん、藤岡さん、海宝くん、福井さんという初演メンバーかつ歌唱力最強メンバー。
期待はしてましたが、素晴らしすぎた…!
四人とは思えない声の圧、厚み。響き渡るハーモニーが最高。
アッキーさん、むしろJB今よりも更に凄い声だったような!?(笑)(リラックスしてたのかな?)
そして何よりも、四人があまりにも楽しそうで楽しそうで!
特に千秋楽は凄かった。藤岡さんは階段状に走って行って、全力の手振り。海宝くんは、そんなキャラだったの!?というほどに踊り狂い。
あの楽しそうな、嬉しそうな、幸せそうな彼らの笑顔を見ているだけで、こちらも物凄く幸せでした。
海宝くん、福井さんもJBとして帝劇に立てて良かった…。
こちらも最高のコンサートでしたありがとうございました!
WOWOW放送が待ち遠しい。




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『SKIN/スキン』 映画を観て考えたこと

『SKIN/スキン』

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2019年/アメリ



スタッフ

監督・脚本:ガイ・ナティー
製作:ジェイミー・レイ・ニューマン
ガイ・ナティー
オーレン・ムーバーマン
セリーヌ・ラトレイ
トルーディ・スタイラー
ディロン・D・ジョーダン
製作総指揮:ザカリー・タイ・ブライアン
ニック・マーシャル
トレバー・マシューズ
ニック・ゴードン
デイル・ローゼンブルーム



キャスト

ジェイミー・ベル
ダニエル・マクドナルド
ダニエル・ヘンシュオール
ビル・キャンプ
マイク・コルター
ベラ・ファーミガ
ルイーゼ・クラウゼ
ゾーイ・コレッティ
カイリー・ロジャーズ
コルビ・ガネット



内容

2003年にアメリカで発足したスキンヘッド集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライオン・ワイドナーの実話をもとに製作され、第91回アカデミー賞を受賞した短編映画を長編化した社会派ドラマ。白人至上主義者に育てられ、スキンヘッドに差別主義者の象徴ともいえる無数のタトゥーを入れたブライオン。シングルマザーのジュリーと出会ったブライオンは、これまでの憎悪と暴力に満ちた自身の悪行の数々を悔い、新たな人生を始めようと決意する。しかし、かつての同志たちは脱会を許さず、ブライオンに執拗な脅迫や暴力を浴びせてくる。そして彼らの暴力の矛先はジュリーたちにも向き始める。ブライオン役を「リトル・ダンサー」「ロケットマン」のジェイミー・ベル、ジュリー役を短編版「SKIN」にも出演したダニエル・マクドナルドがそれぞれ演じる。イスラエル出身のユダヤ人監督ガイ・ナティーブが、短編に続きメガホンをとった。劇場公開時には一部劇場で基になった短編版も上映。 (映画.com)

eiga.com




感想




一週間限定で公式が配信していた短編『SKIN』は鑑賞済み。
20分の短さながら、衝撃的な内容が胸に焼き付いている。

 

短編は評価が高く、長編はそこまでではないと聞いていたので、映画としての期待値はそこそこだったけど、そのせいか思っていたよりはとても良かった。
映画自体の内容についてもだけど、それに派生して、色々な現実の人間の在り方について思いを馳せながら観ていた。



始まってからずっと、哀しくて哀しくて。ほぼ怒りだけに支配されているような人間を見るのは辛く、やりきれなさが強かった。
何かを、誰かを大切にすること、愛情を持つことを皆知っているのに、どうしてこういうことをするんだろうか。
レイシスト集団のことはどうしても理解ができなくて、でも結局自分と自分の周りの人のことしかわからないってことだろうし、自分たちの不遇の責任を関係ない人に押し付けてるだけだろう。
でも人間がこんなに憎しみ合う存在なら、本当に人間の存在してる意味っていったい何なんだろう…なんて思う。



ちらほら感想で見かけたけど、被害者視点の皆無さについて。本作ではこの「レイシスト集団から抜け出した青年のこと」を描いてるので、観たあと色々考えた結果、こういうもんかな……と。引っかかる部分ではあるが、それでもこれは完璧に「ブライオンの」物語なので。一人のレイシスト青年が、組織から抜け出して生き直そうとする物語。 言ってしまえばこれは黒人差別の物語でもない。
被差別者に寄り添うような作品ではない、被差別者の為の映画ではないということはその通りだと思う。被差別者の存在がこんなにも希薄だから。そもそも今作では、そこは目的として作られていないんだろう。
だからこの作品のこの作り自体は、これでいいかなと思う。
また映画の中でのジェンキンスのキャラクターとしての在り方は、まさにマジカルニグロと言われるやつでは?とも思ったけど。これは実際にそういう活動をしてる実在の人なんだし、映画にするとそうも見えてしまうもんかな…。でもジェンキンスのことはもっと掘り下げて欲しかった。というか私が知りたかった。





ジュリーは強い。でも無謀でもある。
子どもなんてどうでもいい、というような放任主義な母親ならともかく、そうではなくて子どもたちを懸命に守ろうとしている。
なのによくこんなレイシストの男と付き合えるもんだ…。彼が組織にいるままでも危険だし、抜けようとしても危険。
自身は組織の思想には相容れないのに、ブライオンと一緒になろうとすることは、凄いと思うと同時にあっけにも取られる。





FBIとの取引によりブライオンは足抜け、組織は逮捕される。
ハッピーエンドであり、こういう人物がいたことが広く知れ渡ることは、同じようにある組織から抜け出す勇気を与えるものだろう。
でもブライオンの贖罪はどうなる?
彼は刑務所には入らない。法的には償わなくていい。どうなの?……それが取引というものなんだけれども。
でも、苦しみをもって、憎しみの象徴であるタトゥーを除去し、人を虐げることなくこれから生きていく。
これからの彼の生き様自体が、贖罪になるんだろう。ということは頭では理解している。
すでに心を改めた一人の青年を捕らえるよりも、まだまだ危険な集団を根こそぎにすることが重要ってことも。分かってはいる。
ブライオンが危険を冒し、覚悟を持ってまっとうな人間になろうとし、成功したのは尊敬する。

 

「赦し」って難しい。
私にできるだろうか。とても酷いことをされた人間に、愛する人を喪った人間に、「彼らを赦してあげて」と言えるだろうか。
短編映画で描かれていたのは差別の、憎しみの連鎖。そういった負の連鎖を止めるには、どこかで「赦し」、憎しみを手放すしかない。 頭では理解している。そうしないともっと悪い方にいき、傷つく必要のない人たちが更に傷つくことになる。
でも、そう簡単に許せない。人間だから。

モヤッとしたのはラストのテロップ。現在のブライオン、講演で「寛容の大切さを説いている」 ということ。寛容は大切だ。社会に、人々に寛容を求めるのは当然だ。けれども、ブライオンが、いわば加害者側がそれを求めるのは図々しいと思ってしまった……。彼が変わったことはわかっているし、本当に凄いと思うけれど。でも寛容の精神が必要なのは、ブライオンがいたような「ファミリー」のような人達こそがそう。ということも含めて語ってるなら、まあ納得ではある。あのテロップだけだとそこまでは分からないから、なんとも言えませんが。

 

そもそもそういう「赦し」を必要とするような事態にならないのが、一番の理想ではある。
貧しい子供たち、寄る辺のない子供たちを引き込み、養い、洗脳するのがこの組織のやり方だけど、そういう子たちを真っ先に救って支えてあげられる社会なら、差別主義者もなくすとは言わずとも減らすことができるのに。 理想論だけど。
結局社会の罪。

 

理想論と言えば、ジェンキンスの存在。
今作ではさらっとしか描かれていなくてその点物足りないけど、この人の活動は本当にすごい。理想論を現実に映している。
黒人を、自身を差別し攻撃してくる人間を転向させる。よくそんなことができるな…。しようと思うことも凄いし、実際成果を上げているのがまた凄い。
レイシストが生まれることを阻止できないなら、せめてそこから脱出させようなんて。卓上の理論のようなのに。




短編映画は「差別問題」の作品だと思うけれど、先ほどちらっと書いたように、長編は違うなと。これは黒人差別についての映画ではない。 レイシストの話ではあるし、育つ環境が重要なのはどちらの作品でも同じだけど。
今作では「差別問題」そのものは実はテーマではないと思う。どんなに酷い人間にせよ、いかに人が変われるか。変わろうと思ったときに強い意志を持てるか。人間への希望の物語。
「人は変わることができる」
そういった励ましが今作にはあるので、短編のような絶望的な物語ではない。実話であるというのが何よりの希望。
そして今作はラブストーリーでもある。
人なんて絶対簡単には変われないし、変わろうとも思わないと思うんだけど、ほんのささいなきっかけが、たった一人との出会いが、全く人生を変えるものになることもある。でも奇跡的な確率。
ハッキリ言ってブライオンはやっぱり超レアケースでしょう。映画になるくらいだし。
自分自身の強い意志と、助けてくれる他人。どちらも必要。
でも、もし何かのきっかけで、自身を良い方向に変えたい人がいたら、ブライオンの存在は希望になる。
私みたいな普通の人間でも、「人は変われる」という事実を伝えて貰えたことは、大きな意味がある。
それにこうやって、色々と思い巡らすことにも。
だから私は、結局この映画が好きかもしれない。









ここはジェイミー・ベルファンのブログなので、主役についても語っときましょう。
私はジェイミーの演技には絶対的な信頼を置いている。なんでもできる人だと思っている。
だから最初こういう役をするって聞いた時も、それから実際に観ても、多くの人が言う「あの可愛かったリトル・ダンサーがこんな役をやるなんて」というような驚きはなかった。
観てみると、むしろジェイミーにオファーされた理由が分かった気がした。
憎しみと怒りに支配された生活。本当に大事なのは犬だけ。そんな生活に潜り込んでくる愛、恐怖、困惑、悔恨。
あの目で、全ての心情を語れる人だから。うってつけの役だったでしょう。
ラストの心細そうな立ち姿が忘れられない。





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『9人の翻訳家』悲しみに満ちた余韻、惹き付けられてやまないミステリー

傑作ってあまり言わないんですけど、あとこれは万人が傑作だと言う作品だとも思わないんですけど、私は「これは傑作だ!」と言いたい。と、二回目を観てすごく思った映画。


『9人の翻訳家』

2019年 フランス、ベルギー製作


スタッフ

監督: レジス・ロワンサル 脚本: レジス・ロワンサル、ダニエル・プレスリー、ロマン・コンパン


キャスト

ランベール・ウィルソン
オルガ・キュリレンコ
アレックス・ロウザー
エドゥアルド・ノリエガ
シセ・バベット・クヌッセン
リッカルド・スカマルチョ
パトリック・ボーショー
サラ・ジロドー
アンナ・マリア・シュトルム
フレデリック・チョウ
マリア・レイチ
マノリス・マブロマタキス


映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』公式サイト


※ネタバレあり!!!




論理的なことは言ってません。メモみたいに書き殴ります。 ちゃんと内容を知りたかったら、他の方のブログへどうぞ(笑)




初めて観たとき、めくるめく面白さにすごく惹き付けられて、片時も飽きず、目も心も離すことができなかった。

アレックスが犯人ぽいとか、ほんの少し予想できたこともあって、そこはこんなもんかと思わなくもなかったけど、でもそれは問題じゃなかった。とにかく面白い。

(ちなみにアレックスが犯人ぽいと思ったのは、キャラクターを見ててそう思ったと言うより、アレックス・ロウザーという役者が演じてるから、というのが大きい)


そういえば初見、種明かしで一番びっくりしたのは、共犯者達の存在だった。

アレックスが「僕が書いた」というのはそのまさに一瞬前、エリックの問いかけのセリフで、あっと思って気付いたけど、それにしてもあそこは鳥肌立つ。アレックスの演技も逸品。



そしてもう一度観たくて観たくて、二回目。

全てを知って観たこの物語は、あまりに切なくて、悲しくて、最初から胸がいっぱいだった。 もう犯人も、動機も分かっていたから、観ていて分かることがある。 アレックスの表情も。言葉の意味も。 泣きたかった。最後には泣いた。

アレックスとカテリーナが『デダリュス』についてかわす会話。
「ただのミステリーじゃなく、悔恨の物語」   「耐えがたい喪失の悲しみを描いた物語」
これらの言葉を聞いたとき、ああこれはこの『9人の翻訳家』という映画自体のことも表してるようだな、と思った。
それから、「僕にも経験がある」と言ったアレックスの胸の内…。


これは悲しみの物語。

もちろんミステリーとして、いわゆるどんでん返しにつぐどんでん返し、観ていて最高の感覚で、それも素晴らしい。

そこに、友への、創作物への、自分の作品への、アレックスの深い深い愛情が加わり、悲しい復讐の物語となる。


私も小説が好きだ。だからより響くところもあった。 読書好きの人には、より観て欲しいと思う。



ところで今回やっと気付いた。トランクの暗証番号。 カテリーナが開けたエリックのトランクは、069。 対して、チェンが開けたトランクは、777。 ここで、この二つのトランクは別物だと、ちゃんと観客が気付けるようになってたんだなぁ。



この映画を観たらアレックス役のアレックス・ロウザーを好きにならずにはいられない。

元々彼目当てで観たというのもあった。 でも正直ちょい役だと思ってたので、裏の(表か?)主役という嬉しい驚き。彼の魅力が爆発してる役だった。あまりに素晴らしい。 脱力系のふわふわした若者から、ミステリアスな青年、そして哀しみに満ちた天才ー。

ラストシーン、微かな満足感と、でもそれでは消せない深い哀しみと孤独に溢れる立ち姿が、いつまでも心に残る。



他のキャラクター達についてとかも、言いたいこといっぱいあるんですけど、言葉にならないのでやめときます。



脚本は面白い、演出も惹き付けられてやまない、音楽も好きだ、そして役者もアレックスはじめ皆最高。 あれ、傑作だよね?



深く引きずる余韻に支配され、もうこの映画の虜です。
出来ればもう一度観に行きたいけどもう厳しそうなので、一刻もはやく円盤の発売を望みます。

『CHESS THE MUSICAL』in 大阪!出演者の圧巻のパフォーマンスにねじ伏せられる

サマンサ・バークスの出演が発表された時点で、即決でチケット取りました。
サマンサの生歌が日本で聴ける機会がくるなんて、しかも大阪に来るなんて、行くしかない。

というかラミンとサマンサ主演ミュージカルを日本で観れるなんて、どんな奇跡でしょうか……。


さくっと感想メモ残しときます。



内容について

ストーリーは、あらすじ読んだ時点で好みじゃなさそうって思ってました。
で、好みじゃなかった笑
私の豊かな感性(自分で言ってくスタイル)どこいった??ってくらい、ほぼほぼ内容には心動かされなかったよ……。
要はチェスそのものと、チェスの駒に例えるような人間模様を描き、更に社会情勢を絡めた作品なんだけど……。うーんあんまり。
まあ字幕読むのが大変だったのもあるかな。私がもっと英語ができるか、そもそもこのチェスという作品を知っていたら、感想はまた違ったかもしれません。かも。


演出について

セットが階段のみで固定のせいか、映像をふんだんに使った演出。で、まーこれが好きじゃないんだわ……。
役者の歌と演技で魅せられたいとこを、映像で全て表してしまってるように感じて、私の好みに合わず。
ただアンサンブルや照明の使い方は好きかな。アンサンブルのダンスめちゃめちゃカッコ良かったし、照明も。
でも照明は、演劇というよりライブ感あったけど。


音楽について

ABBAの楽曲。
ABBAに関しては特に好きとか嫌いとかないんだけど、まあ普通かな……。こちらも好みには合わなかったかなと言える。
嫌いではないんだけど、好きではない笑
何曲か印象には残ってますが。


キャストについて

ここまでの感想がネガティブ気味なものばかりなのに、観劇後の満足度が高いのは、キャスト陣のおかげです。
あらゆる不満をパフォーマンスで吹っ飛ばしてきた。力技。圧倒的。
特にイギリス勢3人は、もう鳥肌立ちまくりよ……。

第一幕終わって客席が明るくなった途端に、周囲から「凄い…」「凄い…」「凄い…」ってざわめきが聞こえてきたのが面白かった。
私は一人だから声には出さなかったけど、私も「凄い…」って心の中で呟いた。


もう日本に半分住んでるんじゃね?なラミン。
彼は好きですが、特に追っかけてるわけでもないのに、けっこうな頻度で生歌聴けてる気がします。
というわけで私はラミンは昨年秋のJCSぶり!
もうね、凄いのは分かってるので。
でも今回はまた物凄いなって思った……。大迫力の歌声。 でもこの役は好きじゃないな私!笑


御目当てのサマンサ!
彼女を日本で観れる、聴けるなんてこと、想像したことなかったので、キャスト発表された時にはあまりの驚きで叫んだ。

映像のうん倍も素晴らしい声でした……。
レミゼでもね、25thから映画でけっこう歌声変わってましたので、時が経って更に上手くなったというのはあると思いますが。
でも今回の公開稽古の歌、テレビやネットで聞いてたけど。まあ生歌の凄さよ……!
深みがあって芯が通っていて、優しく強い歌声。好きすぎる。
強さもあるけど柔らかさも出せるのが最高。
聴き惚れた。

そして可愛い。カテコとかニコニコしててめっちゃ可愛い。


全然知らなかったルーク。
やられました、私。
始まって歌い出した時から、割と好きかなーと思ったんだけど、ソロ曲に圧倒されてしまった……。
あの高音の伸びやかさ。すごく気持ち良い。 ザ・青年!な若さや青さ、とても好き。
何か出演作のCDとかありませんか……?もっと聴いてみたいなーでもやっぱり生がいいんだろうなー。 キャラクターとしては、彼の演じるフレディが一番好きというか、心に触れるものがありました。


そして、シュガーさんこと佐藤隆紀さん始めとする日本キャスト陣も素晴らしかった!
というかアンサンブル好き!上手い!カッコいい!!
ちなみにびびちゃんこと綿引さやかさんいるなー楽しみだなーと思ってたのに、見分けられませんでした(笑)(そんな余裕なかったとも言える)




というわけで、作品自体は好きじゃないのに、その割に異常な満足度を得られた観劇体験でした。
キャストの皆様に感謝です。
CD欲しいわ……。とりあえず、観劇までは!とお預けにしていたダイジェスト動画を観て浸ります。


ミュージカル『CHESS』舞台映像ダイジェスト版

あと彼らを呼んでくださった梅芸さんありがとうございます……!(またウィーンミュージカルもお願いします)
サマンサとルークも、ラミン並に日本に来てください!今回が良き滞在となりますように!

これからまだ東京公演もありますが、期待を遥かに上回るパフォーマンス、観られる方は堪能してください!

レイ・ブラッドベリ『刺青の男』感想/美しさと孤独溢れる短編集

小説ではたいていなんでも読む(つもり)の私ですが、SFは守備範囲外だと思っています。
物理や化学満載で、訳分からなくなりそうな、私の苦手なイメージ。

今回読んだのは、そんな苦手イメージのあるSF界の巨匠、レイ・ブラッドベリ
数年前『太陽の黄金の林檎』の最初の一話『霧笛』だけ読み、合わないなと思ったのか、そのまま放置1
そんなブラッドベリの作品を何故また読もうかと思ったのかというと、映画『ロケットマン』の存在があります。

映画のタイトルにもなっている、エルトン・ジョンの楽曲『ロケットマン』は、作詞のバーニー・トーピンが、ブラッドベリの短編『ロケットマン』に影響を受けて書いたらしい、と知ったからです。

映画『ロケットマン』に揺さぶられた人間としては、読まないわけにはいかないなと。



先に結論だけ言うと、ものすごーく良かったです。

まずプロローグ読んでる時にもう、「あ、好きだ」って思いました。
まずこの「刺青」の設定から好き。美しい。

作品自体は短編集です。

文明批判、抒情的なもの、子どもの反乱、孤独感溢れるもの、静謐な美しさ漂うもの。哲学的なもの。

苦手なSFの作家だと思っていたブラッドベリの作品は、むしろ文学的な空気でした。
SFという、「私たちのいるところとは違う世界」を舞台に描かれる人間と、人間じゃないものの姿。

それは美しく、恐ろしく、時にどうしようもないほど孤独で。
愛に溢れた優しい瞬間もある。

こんなに私好みの作家だなんて知らなかった。 こんなに心奪われるなんて。


久しぶりに作家読みをしようかなと思います。
今回は図書館で借りたけど、これからは買い集めたい。


何作か特に印象深いものの感想も下記にチラッと書いときます。



内容紹介

暑い昼さがりにもかかわらず、その男はシャツのボタンを胸元から手首まできっちりとかけていた。彼は、全身に彫った18の刺青を隠していたのだ。夜になり、月光を浴びると刺青の絵は動きだして、18の物語を紡ぎはじめた……。流星群のごとく宇宙空間に投げ出された男たちを描く「万華鏡」、ロケットにとりつかれた父親を息子の目から綴る「ロケット・マン」など、刺青が映しだす18篇を収録した、幻想と詩情に満ちた短篇集。 (ハヤカワ・オンラインより)


『草原』

まず強烈だった最初の一編。

オチ自体は想像できるものですが、それは重要なことじゃない。

文明が、技術が進みすぎて、人間は機械に守られ育てられる。
もはや両親は両親ではなく、子ども達にとっては「家」が家族。

機械に支配され、親の役割を解かれること。
子ども達の何の躊躇いもない行動にゾッとします。


『万華鏡』

「万華鏡」は星々ではなく、彼らのことではないか、と思った。 ロケットから放り出され、それぞれ宇宙空間に散らばった、彼ら。ただ死を待つばかりになった人間たち。仲間は皆散り散りになって。

確実に逃れようのない「死」を目の前にした時、人は皆自分の人生を振り返るでしょう。

自らの空虚な生涯をつぐなうために、せめて最後に何か「いいこと」をしたい、と望んだ主人公に訪れる、奇跡のような運命。
願いは聞き届けられたのか。
儚いような、ささやかな美しさの結末に震えました。

おれはどうすればいいのだ。恐ろしい空虚な生涯をつぐなうために、何かいまできることがあるか。おれが永年かかって蓄積したみすぼらしさ。自分では夢にも知らなかったみすぼらしさのつぐないをするために、なんでもいい、一つだけ善なることができたなら!しかし、ここにはおれ一人しかいない。一人ぽっちで、どうして善なることができよう。できはすまい。


『ロケット・マン』

元々の御目当てのこちらの短編。
これがもうまた、素晴らしく、大好き。

愛する家族がいながら、幾たびも宇宙に旅立つロケットマン
家に帰れば宇宙に出たいと思い、宇宙にいれば家に帰りたいと思う。宙に浮いたような存在。
家族を愛し、家族に愛されてるにも関わらず、私に感じられるのは深い深い孤独感。 妻も息子も、彼の世界には入れない。彼ただ一人きりの世界。誰にも彼を留めておくことはできない。

美しいばかりの孤独感にうっとりする、物悲しい作品。

ふと見ると、機械じかけのポーチに父さんが座って、しずかに揺れている。父さんの顔は上を向き、夜空に輝く星の運行を眺めていた。その目は、月の光をうけて、灰色のガラスみたいに見えた。


『ロケット』

これはすごく暖かい作品。
ロケットに夢を見る人間たち。
でもロケットに乗るのはお金持ちだけの特権。お金がないと、それはただの夢。
自身の限りない夢と、子どもたちの希望を叶えた一人の男性。
大枚はたいて、現実的には馬鹿かもしれない。でもなんと優しく、暖かく、輝くような父親なのか。

「パパ、どうもありがとう」
「お礼なんか言わなくてもいいさ」
「いつまでも忘れないよ、パパ、絶対忘れないよ」

バスのなかで読んでたのに、子ども達の言葉に涙が溢れた。


刺青の男〔新装版〕 (ハヤカワ文庫SF)

刺青の男〔新装版〕 (ハヤカワ文庫SF)




  1. この『刺青の男』があんまりにも好みなんで、これを読みつつ『霧笛』を読み返してみたら、あまりの美しさ哀しさにうってなった。すごく良かった。なんで前はダメだったんだろう。成長したんだな私。

『ジャージーボーイズ』2020年 プリンシパルキャスト発表

何よりも楽しみに楽しみに楽しみにしてきた東宝版『ジャージーボーイズ』2020年公演。

皆さん待ち焦がれていたキャストがついに発表されました!!

www.tohostage.com


矢崎さんはFC会報から予想はしてたし、その期間のスケジュールが出てなかったことから、藤岡さんの復帰もあると思ってました。
でもいざ本当に発表されると…。すごく舞い上がったしテンション上がりまくったし、というか嬉しすぎて泣きました。今もまだ半泣きでこの記事を書いています。
矢崎さんと藤岡さんそろってまたJB観れるなんて…。赤の時一回しか観れなかったの悔やんでます。


というわけで、2020年のキャストは
フランキー:中川晃教
トミー:藤岡正明尾上右近
ボブ:矢崎広東啓介
ニック:spi大山真志


そしてここで気になるのは、チーム分け問題ですよ。
素直に左と右で思っといていいのかしら。
となると経験者チームと新入りチームにがっつり分かれちゃいますが。
というか、矢崎さんと藤岡さんが別チームになったら泣くけど?(悲しみの涙)

まさかチーム分けせずにごちゃ混ぜパターン?ハーモニーあるしそれは厳しいかな。


東さんと右近さんは全然知らないんですが、歌える人なんですか?
まあJBで歌えない人は使わないと思うけど。それにゴーディオさんの許可いるよね、やるの
大山君ニックちょっと楽しみ。



それからtwitterでも散々嘆いてますが、まさか地方公演ないんですかね…?
泣いちゃう。
これから発表されることをまだ期待しててもいい?

とりあえず地方公演あるとしても、東京にも遠征するとは思います。考えたら2018年も大阪で観つつ、東京神奈川に遠征したしね…。
それに矢崎さんの帝劇デビュー観ないと。
でも地方公演ないなら3回くらい遠征したい。それ以上は…厳しいかな。仕事も上手いこと休めるか分からないし。連休取れなかったらきついな。

とりあえず、JB貯金はすでに始めてたけど、遠征費も貯めていかないといけない。

2020年はミュージカルファンは大変だって話題ですけど、実は興味ないものが多かったし、こうなったら悩んでた作品も諦めて、JBにお金回すつもりでいます。


お仲間の皆さん、チケット争奪戦頑張りましょうね…!
それから地方公演祈りましょう。

アンサンブル発表もはよ。

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スペシャルドラマ『教場』 - 生徒役の熱演が最大の見所

フジテレビ開局60周年企画

『教場』



スタッフ

原作: 長岡弘樹 脚本: 君塚良一 演出: 中江功

キャスト

木村拓哉 工藤阿須加 川口春奈 林遣都 葵わかな 井之脇海 西畑大吾 富田望生 味方良介 村井良大 佐藤仁美 和田正人 石田明 高橋ひとみ 筧利夫 光石研 三浦翔平 小日向文世


ストーリー

ここで生き残った者だけが、警察官になれる。 警察学校という密室…そこで、何が起きたのか。必死のサバイバルが始まる―
“教場”と呼ばれる警察学校の教室。 冷酷無比な教官・風間公親(かざま・きみちか/木村拓哉)が務める初任科第198期短期課程の教場では、生徒たちが日々、早朝6時起床から激しいトレーニングにさらされている。何より厳しいのがルール厳守。その行動は、常に監視体制に置かれ、誰かのミスは連帯で責任を負う。携帯電話も没収され、外出するためには許可が必要。そんな辛苦ともいえる究極の試練が待ち受ける警察学校には、様々な背景を持つ生徒たちが様々な動機で集まってきている。
また、警察学校という閉塞(へいそく)した極限状態で生徒たちが抱える葛藤も様々。「警察学校とは適性のない人間をふるい落とす場である」と考える教官・風間は、生徒がトラブルを抱えた途端、退校届を突きつける非情な男だ。また、いつも生徒たちに突然理解しがたい指令だけを告げて、その場を立ち去ってしまう。次々とふるいにかけられる“教場”という名のサバイバルゲームを生き抜くため、生徒たちの秘密と思惑が渦巻き、いろいろな事件が巻き起こっていく…。
“風間教場”のクラスメートは30人。果たして最後までふるい落とされずに生き残り、何人の生徒が卒業証書を手にすることができるのか?さらに風間は、生徒たちが起こす事件の複雑に絡み合った真相を解決していくことはできるのか?そして、生徒たちに非常識ともいえる謎の試練を与え続ける風間の真の狙いとは?

(公式HPより)




感想

※ネタバレあり


キャストが発表された時点で、これは観よう!と思ってました。 お目当ては富田望生ちゃんと村井良大くんです。

あと『スカーレット』始まってから、林遣都くんと大島優子ちゃんが私の中でキテるので、このお二人とか。

和田正人くんとか佐藤仁美さんとか。

ぽろぽろと気になる俳優さんが多かったので。

ところで朝ドラ出演率高いね!(笑)



役者について

実はキムタクの演技見るの初めてでした。
日本のドラマも邦画もあまり観なかったので(最近やっとちょろちょろ観出した)。

最初観始めた時は若干滑舌が気になったけど、貫禄があって厳しく冷たく、でもその元となるところは優しい。上手くハマってたと思います。


が、良かったのはなんと言っても生徒役の皆さん!!

実力派演技派揃いですな!!

特に『スカーレット』コンビの林遣都くんと大島優子ちゃんが最高でしたね。
林くんはもう別人のようで、コンプレックスとプレッシャーに歪む青年が見事。カメレオン俳優なんやな。
でもメインキャラだと思ってたから(メインキャラだけど)、早々の退場にびっくり。

優子ちゃんはむかーし、AKB現役の頃たまたま見たとき「うわ下手……」って思ったので、その印象が強かったのですが、『スカーレット』がとても良くて、そして今回!またもうめっちゃ良かった……! 真っ直ぐなんだけど思い込みが激しく、それ故に過ちを犯してしまう。もともとのその真っ直ぐさと優秀さが出てる女性像でした。

お目当ての富田望生ちゃん、あんまり出番ない……?と思ったら後半でバッチリでしたありがとうございます。
この子ピュアな役が多い気がするけど、もう可愛くてたまらない! 友情にも恋にも、そして警官になりたいという目標にも、全てに純で眩しいくらい。
だからこそ彼女の行末は悔しかったよ……。

そんな望生ちゃんとの友情があった川口春奈ちゃん。
まー嫌な役!と思ったけど……。結局利用してただけでなく、枝元さん(望生ちゃん)のこと、友達と思ってたんだな。というか、枝元さんの方が真っ直ぐに自分を思ってくれたから、大事な友達だということをちゃんと認識出来たんだよな。
あと、あの素直さは、根は元々嫌な子じゃなかったパターン。

応援したいのは三浦翔平くん! 妻子抱えて、一から警官に転職、凄い。奥さんも凄い。
彼のあの役の真っ直ぐさも好きで、私はこういうキャラクターに弱い。 あと自分でちゃんと勉強の仕方考えたんだなって感じがさらに好感度高い。(オムライスのくだり)

生徒役での主役は工藤阿須加くんか。
主役である故にか、彼はキャラクター的にはあまり面白くなかった気はする←
けど彼自身の演技は良かったよ。

あとメインどころ……葵わかなちゃん、井之脇海くん、味方良介くんあたりか。
わかなちゃんは気弱で、でもあれ気弱なだけでなく依存性がある感じがすごく上手く出てたと思う。
井乃脇くんは、あの宮坂さん(阿須加くん)に銃突きつけるあたりのやばいやつ感と、普段のお調子者感、からの教官に撃たれる!というところのダメダメっぷりが、キャラクター的には定番だけど、割と好き。
味方くんね!私あまり観たことないけど、舞台の人じゃないですか。前半からけっこうこれメインだなと思ってたけど、めちゃめちゃ良い役貰いましたね……!あの不穏な感じからの、ラストの嘆きの告白。実は優しい人だなぁ。良かったです。

お目当ての村井良大くんですか?
役者としては彼も裏のある役を見たかったけど、あのキャラまで何か抱えてたらもーやばいんで。ストーリー的にはあれで良かったですよね。お気楽明るいクラスメイト。
村井くんやりそうな役(やってる)。 あと彼は特に何事もエピソードなかったのに、他のメインキャラと共に主要なとこで目立ってたのが謎でした(笑)


と、生徒役の熱演に目が奪われました。
今の若い人、上手い人多いのね!!
これだけでも観る価値あった。


和田くんや佐藤さん、更に随所随所の小日向さんが味があって好き。
光石さんも好き。



内容について

※ネタバレあり。



面白かったですよ。

それぞれの心の闇と、抱える問題と、上手くミステリ形式で描いていて、興味深かったです。
あと仲間意識が芽生えていくのが良かったなぁ。半年あの生活一緒にしてればね。


でも作りは連作短編集という感じで(原作がそうなのかな?)、スペシャルドラマで観るとややぶつ切りなようにも思えたから、いっそ連ドラの方が良かったかも。とも思う。

あと事件起きすぎ問題。
ここはどこぞの3年B組かな?


後編で、教場とは
「適性のない生徒を落とすため、ふるいにかける場です」
と言っていました。

しかし、教官が非情で「ふるいにかけてる」ようでいて、実際そもそもの問題が大きすぎて、そりゃ明るみに出れば退校だろ、というものが多く。ふるいにかける、適性云々以前の問題じゃないの?
まあ、教官が優秀だからそれが明るみに出たというのはありますが。

前編が特にそうで、それはもう…そりゃ問題だね!という生徒たち。 その点後編の方が、そういう事件的ではない、より内面的な話になっていて、個人的には好みでした。


ところですごく気になったのが、井乃脇くんが演じていた南原さんは連行されてましたけど、そもそも平田さん(遣都くん)と岸川さん(わかなちゃん)はいいの?
あれ捕まらないの?なんで?と、前編観ながら思ってました……。事件だよ……。退校だけでいいんでしょうか?


あ、あと教官があまりにも優秀すぎて、すべてを見透かしすぎて、少年漫画とかの主役っぽい!と思いました←



なんか文句言ってる感じにもなりましたけど、総じて面白かったです。

でもなによりも、役者陣の最高の仕事にありがとうございますと言いたい。