彼女たちの求めるものは。『あの日、欲望の大地で』
『あの日、欲望の大地で』"The Burning Plain"
2008年/アメリカ
監督: ギジェルモ・アリアガ
脚本: ギジェルモ・アリアガ
出演: シャーリーズ・セロン、キム・ベイシンガー、ジェニファー・ローレンス、ヨアキム・デ・アルメイダ、ジョン・コーベット
作品紹介
「バベル」「21グラム」の脚本を手がけたギジェルモ・アリアガの長編監督デビュー作。行きずりの相手との情事を繰り返す荒んだ日々を送るポートランドのレストランマネージャー・シルビア。ある日、彼女のもとに娘と名乗る少女アリアが訪れる。突然の娘の出現に戸惑うシルビアの脳裏に若き日のニューメキシコでの過ちがよみがえる……。主演はシャーリーズ・セロン、キム・ベイシンガー。(映画.com)
感想
これは良い……。
良い映画を観た、という満足感でいっぱい。
私のボギャブラリーでは、この映画を表すことは出来ない。
ただ、なんとも言えないぼんやりとした哀しみ。彼女たちの気持ちを完璧に理解することが出来ないもどかしさ。そしてやっともたらされるほんの少しの安らぎ。そんなものが、観ている私の心を駆け抜ける。
母の気持ちも娘の気持ちも、分かるし、分からない。
誰もが何かを求めているけれど、それが何なのかは、やはり私には分かるようで分からない。「愛」だろうか。そんな言葉には出来ない、何かもっと掴みきれないものだろうか。
ただ皆が何かの答えを求めていて、何かに手を伸ばしている。
今にも消えてしまいそうな脆さ。この映画はそんな危うさに支配されている。
彼女たちのことを、あの母と娘のことを、もっと理解出来たら良かったのに、と思う。理解してあげたい、とも思う。
男優陣も素晴らしかったですが、やはりこの映画で見るべきは女優陣。
シャーリーズ・セロン、キム・ベイシンガー、そしてジェニファー・ローレンス。
彼女たちの静かな演技、決しておおっぴらにはされない、それぞれに何かしらの危うさと傷を秘めた、淡々とした演技。逸品でした。
派手さはない、見るものを惹きつけてやまない彼女たちの空気感。素晴らしい。
お目当てはジェニファーだったのですが、流石。彼女のアンバランスさに胸が痛みました。
宜しければお願い致します↓
にほんブログ村
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2010/03/19
- メディア: DVD
- 購入: 4人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (16件) を見る