すきなくらし

映画、ドラマ、小説、舞台等の感想記録と、たまに雑記

不可能を可能にする人間の姿には、誰だって感動せざるを得ない。『ザ・ウォーク』

公開前から観たいなーと思いつつも、そのままスルーしそうだった本作。
仕事の忙しさの反動か(?)映画観た過ぎて観てきました。
結果、本当に観て良かったー!!元気出た!!





ザ・ウォーク』 The Walk


2015年/アメリ
監督:ロバート・ゼメキス
原作:フィリップ・プティ
脚本:ロバート・ゼメキス、クリストファー・ブラウン
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、クレマン・シボニー、セザール・ドムボイ、ジェームズ・バッジ・デール




内容紹介(映画.com)

バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ 一期一会」など数々の名作を送り出してきたロバート・ゼメキス監督が、米ニューヨークのワールドトレードセンターで命がけの綱渡りを敢行した男の物語を3Dで映画化。1974年8月7日、当時世界一の高さを誇ったワールドトレードセンター。フランス人の大道芸人フィリップ・プティは、地上から高さ411メートル、110階の最上階で、そびえたつツインタワー間をワイヤーロープ1本でつなぎ、命綱なしの空中かっ歩に挑む。主人公プティ役は「(500)日のサマー」「インセプション」のジョセフ・ゴードン=レビット。プティの綱渡りの実話は、アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」でも描かれた。






感想

冒頭でも言ったけど、本当に観てきて良かったです。
とても好きな映画。

正直言って、ワールドトレードセンターで綱渡りなんて意味不明です。フィリップってクレイジー。しかも彼に協力する仲間があんなに集まっちゃう。
でもわかる。フィリップの気持ちまではわからなくても、彼に手を貸したくなる共犯者たちの気持ちはわかる気がしました。

人間って本当いろいろと周りから見たら意味不明な行動を起こすけど、本人にとってそれはやるしかないことで、そうと決めれば誰にも決意を揺るがすことはできない。
人間って、思っているよりなんでもできるのかもしれない。
不可能を可能にする人間の姿には、誰もが感動し称賛する。
こんなありえないところで綱渡りをするフィリップには、やたらと感動してしまった。さらに、見守る人が笑顔で拍手している姿に、涙がぶわっと。
ひとりのクレイジーな試みが、こんなにも人間を感動させる。



評判の綱渡りシーンですが、正直心構えしていたほどは怖くなかったです。2Dだったからかもしれないけど、多分それ以上に、綱渡りをするフィリップが堂々としていて、まさに芸術、アーティスト、怯えを見せていなかったからだと思う。その証拠に私、高所恐怖症のジェフがピンチになってビビりまくってる姿には、見ていてめっちゃビビりましたもん。(実は私も高所恐怖症)
フィリップは堂々としている。だから見ていてあまり怖くなかった。

フィリップを見ていると、スポーツ選手を見ているみたいな感覚になりました。
綱渡りの感動も、一種スポーツを見た時の感動のような。
スポーツ選手も、人間の可能性を高めていっている、不可能だと思われることを可能にして見せてくれる、そんな存在だから。




「綱渡りとは、死ではなく生」「生きること」
フィリップは、生きているからこそ不可能な綱渡りに挑戦せざるを得ない。それで死ぬつもりなんてない。




映画のテンポが非常によく、演出もキレッキレで、大好き。
コメディ部分も笑わせる。準備中の屋上の例のシーンには思わず吹きました(笑)




ラストがまた印象的で良いです。



ジョゼフ・ゴードン・レヴィットは以前からツイッターなんかでファンが多いなーと思っていたのですが、私はいまいち魅力がわからず。
ただこの作品は予告を観た時から、「あ、これ観たらジョゼフ好きになりそう」って思いました。好きになりました。
軽やかで飄々としていてぶっ飛んでいて真剣で、めっちゃ魅力的!可愛かったです(笑)




それから終わってからジェームズ・バッジ・デールの出演を知りました。全然気が付かなくて、自分にショックです。結構好きな俳優さんなので、わかってたらもっとガン見したのに!(笑)気づいてなくても素敵な役でしたけどね!





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マン・オン・ワイヤー

マン・オン・ワイヤー






ラストシーンについて









映画を観ながら、誰の頭にでも浮かぶであろう、9.11。

フィリップは、ワールドトレードセンターの展望台の特別入場券を貰う。
一般のものには有効期限が書いてある。フィリップのは、線で消して、こう書いてもらった。「永遠」と。

「永遠」と口にしたフィリップの表情、そして映し出されるツインタワー、周りの映像は消え、ツインタワーだけになり、それも消えていく。



興奮と感動に沸き立ったクライマックスから、この物悲しいラストシーン。
これがまた、この映画を忘れられないものにしました。