すきなくらし

映画、ドラマ、小説、舞台等の感想記録と、たまに雑記

『グラスハープ 草の竪琴』

『グラスハープ 草の竪琴』を観賞。

1995年、アメリ
監督: チャールズ・マッソー
脚本: スターリング・シリファント、カーク・エリス
原作: トルーマン・カポーティ
出演: エドワード・ファーロングパイパー・ローリーシシー・スペイセクウォルター・マッソージャック・レモン、ショーン・パトリック・フラナリー






最近、カポーティに興味を持ちました。

まず村上春樹訳の短編集『誕生日の子どもたち』を読み、今は川本三郎訳の誕生日『夜の樹』を途中まで読んでいます。ちょうど、『誕生日の子どもたち』の途中まで。

誕生日の子どもたち (文春文庫)

誕生日の子どもたち (文春文庫)

夜の樹 (新潮文庫)

夜の樹 (新潮文庫)

何作か収録作が重なっているので、訳が違うものを読むとまた新鮮です。

『誕生日の子どもたち』は、純粋で残酷で、キラキラと輝いていて……。
たいそう心惹かれました。

『夜の樹』はまだ途中ですが、孤独な人たちの物語ばかりの印象。こちらもまた良い。

カポーティを読んでいると哀しくて哀しくて、でも温かい。孤独なのは皆同じなんだ、と安心もする。

お気に入りの作家になりそうです。







今回観賞の映画『グラスハープ 草の竪琴』。
原作はまだ未読。映画を先に観てしまいました。

原作未読ですが、これは「原作に忠実なのだろうなぁ」と感じさせられた作品。
すごく小説っぽい。そして詩的。絵画的。

小説では、いわゆる「章」が変わるところであろう、そういうところに、映画としては少々ぶつ切り感を感じたのが、少しだけ残念。もっとすーっといって欲しかったかな。

でも良作だと思います。
それなりに事件は起こりますが、淡々と過ぎていく印象。はっきり言って地味です。しかしそれがいい。小説の世界観をよく表しているのだろうな、と思います。

これもみな、孤独な人たちの物語なんだ……と感じました。

孤独な中で愛を求め、愛に救われ、そして一歩を踏み出す。

人は誰しも孤独を抱えているんですね。




キャストが思いがけず豪華。

エドワード・ファーロング、実は初見です。噂通りの美少年でしたね。猫背気味で、人と接するのが苦手そうな少年。良い演技でした。

ベテラン陣は流石の貫禄。上手い方ばかり。
シシー・スペイセクすごく良かった。
ジャック・レモンウォルター・マッソーの共演にまたニヤリ。

ライリーが印象に残りました。
役者はショーン・パトリック・フラナリー。出演作調べたけど、観たことあったのは『ソウ ザ・ファイナル』くらい。そして記憶なし(笑)
いわゆる「イケてる」男ライリーもまた、彼らの仲間。孤独を抱えていた。









原作は入手済みなので、また読みたいと思います。

草の竪琴 (新潮文庫)

草の竪琴 (新潮文庫)