原作を上手くまとめている『エンダーのゲーム』
お久しぶりです。
毎日更新を宣言しておきながら、しれっと昨日一昨日と休んでしまいました。
まあ一カ月以上続いたからいいか。ということで(笑)
これからは書くことがあるときに更新します。
さて、今日の本題。
『エンダーのゲーム』を観賞しました。
劇場公開時以来なので、1年半ぶりくらいの観賞です。
『エンダーのゲーム』
2013年 アメリカ
監督&脚本: ギャヴィン・フッド
原作: オースン・スコット・カード
出演: エイサ・バターフィールド、ハリソン・フォード、ヘイリー・スタインフェルド、アビゲイル・ブレスリン、ベン・キングスレー、ヴィオラ・デイヴィス、アラミス・ナイト
こういう風に書き出すと、つくづく地味に豪華キャストでしたね。
公開時、Twitterを見ていた限りは、賛否両論だった印象。
私は当時も割と好きでした。今回観賞して、もっと好きになりました。
原作は劇場公開前に読了済み。
原作未読の人にとっては、多分展開が早すぎる。
原作既読の私は、勝手に脳内補完している感はありました。そういう方、けっこういるのではないかと思います。
しかし、今回じっくりと観て思ったのですが、これは割と上手く原作をまとめているなぁと。
確かに展開は早いし、もっとしっかり描いて欲しかったと思うのですが、2時間程度の映画にまとめると思うと、上手に原作をコンパクトにしたな、という印象を受けました。
(兄姉のエピソードがゼロなのはやっぱり惜しいですが、そこまで描くなら、ドラマとかじゃないとね……時間が足りませんね)
そして、原作の深みは多少浅くなっているとは思いますが、テーマはちゃんとそのままだと思います。
監督たちがしっかり原作を大事にしているという風に思いました。
エイサはエンダーにピッタリですね。演技が非常に良かった。
残酷さと優しさと知性を兼ね備えた少年エンダー。
殺気走った眼差しの中に見える、深い深い哀しみがとても印象的。
鋭い瞳と泣きそうな表情が両立している演技は、まさにエンダー。惹きつけられるものがありました。
ちなみに原作読んだときも映画初見時も、ビーンが一番好きだったのですが、今回はエンダーに一番心惹かれました。
あと映像も良かった。
もう一度映画館の大画面で観たくなってしまいました。
ネタバレあり。
この作品は深いですよね。原作を読んだとき、やけに哲学的だなと思いました。
私はSF作品には馴染みがないのですが、SFの名作ってどれもこんなに哲学的なんですかね。
敵を叩きのめすために、理解する。
しかし理解した瞬間、その敵を愛しもする。
現実と知らずに敵を滅亡させてしまったエンダー。
それがエンダーの心を苦しめます。
現実と知っていたらやはり戦わなかったでしょうか。
理解しようとしたでしょうか。
エンダーはそうしたでしょう。
何故ならエンダーは敵を理解し、愛したから。
エンダーは優しすぎると思います。
公開時に観たときはそうでもなかったのですが、今回は観ながら泣きそうでした。
エンダーの苦しみと優しさが痛いほど伝わってきて。
エンダーは敵を叩きのめしたあと、敵の女王に会います。最後の生き残り。
彼女が残した卵を携え、エンダーは旅に出る。
自分が一度は滅ぼしてしまった種族に、新しい世界を与えるために。
映画は終わりですが、ここからエンダーの贖罪の物語が始まります。
敵とは何なのか。
自分のするべきことは何なのか。
敵と味方。戦争と平和。
敵に対する愛情。
エンダーの持つ、残酷さと優しさ。
相反する要素が絡み合い、観た者(私)を思考の迷路に落としていく。
考えることはたくさんあります。
原作を再読しようかと思います。
そして続編も読もうかと。
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