ついにこの時がきた。『ドクター・フー』S7#5『マンハッタン占領』
『ドクター・フー ニュージェネレーション』(シーズン7)
第31話『マンハッタン占領』"The Angels Take Manhattan"
ニューヨークのセントラルパークを訪れたドクター、エイミー、ローリー。ドクターが読書をしていると、本の中に何とリヴァーとローリーが登場する。ドクターとエイミーは小説をヒントに1938年のニューヨークへ向かう。(角川映画)
ネタバレあり
ついにここまで来てしまいました。
ドクターと、エイミー&ローリーとの別れ。
DVD裏のあらすじは読んじゃうもので、観る前からこの回でお別れと分かってはいたのですが……。
やっぱり辛い。
今回でシーズン7のパート1が終了となります。
今回の敵はまたまた登場、嘆きの天使。
というか、もはや天使じゃない。彫像なら何でもオッケー。
どでかい自由の女神像が、あの恐ろしい顔になって間近にいるのはなかなかの迫力。
ドクターが読んでいた小説に登場してきたローリーとリヴァー。
ローリーはつい先ほどまで一緒にいたが、コーヒーを買いに離れ、天使に過去へ飛ばされた。
この小説は、リヴァーが後に書くことになるもの。
先を読んでしまったら、その未来は確定してしまう。時を書き換えることは出来ない。
目次で、エイミーとの別れを目にしてしまったドクターの動揺は、あまりにも激しくて、少し驚いた。
ここまで動揺を露わにするとは思っていなかった。
ローリーと出会えたドクターたちだが、そこにはもう一人、年老いたローリーがいた。
エイミーに会えたことを喜び、そのまま死んでしまった。
天使に飛ばされたローリーが、この天使が支配する建物の中で、一人何十年も生き、死んでいった姿だ。
この未来は確定。今ここにいるローリーは、もう一度天使に飛ばされたら、この年老いたローリーとなる。
その未来を壊すために、建物からの脱出を試みるローリーとエイミー。
ローリーが逃げることさえできればパラドックスが起き、天使は死ぬ。
屋上へと追いやられたローリーは、飛び降りることを決意する。
ローリーが死んでもパラドックスが起き、天使は死ぬと。
エイミーは、ローリーと共に飛び降りる。
死ぬかもしれないが、その道を選んだ。
二人の試みは成功した。
また墓場で目が覚め、ドクターと成功を喜ぶ。
このドラマ、ここで終わるわけがなかった……。
ターディスに戻ろうとした一行だが、ローリーはある墓に目をとめてしまう。
そこには、自分の名が。
それに気づいてしまい、その未来は確定された。
天使の生き残りにより、ローリーは一人過去に飛ばされた。
そして、エイミー。
エイミーはローリーを追う。
つまり、自ら望んで、天使に過去へ飛ばされようとする。
もうターディスで、ローリーを追うことは出来ないから。そうしたらパラドックスにより街が壊滅してしまう。
だから、エイミーは天使に飛ばされることを決意する。ローリーのいるところに行けるという、確証はないまま。
ローリーがいないところで生きていても仕方がないから。
ドクターは必死に止めるが、エイミーの決意は揺るがない。
天使を見つめたまま、ドクターと最後の会話を交わす。
「ボロを着たドクター」
ドクターの方へ振り向き、別れの一言。「さようなら」
ローリーの墓には、共にエイミーの名が刻まれている。
ドクターは、「終わりは嫌いだ」と、小説のラスト1ページを破っていた。
しかし、そのあとがきには、エイミーからのメッセージが。
「あなたが心配」「独りでいてはいけない」
「待ち続けている少女がいる。その子に物語を話してあげて」ドクターとエイミーの、数々の冒険の話を。
それを読んだドクターは過去へと飛ぶ。ドクターを庭で待ち続けていた、アメリア・ポンドの元へと。
今回はこういう別れ方なのですね。
エイミーたちを失うドクターが可哀想で可哀想で辛いのと、毎度のことながらエイミーとローリーとの深い愛情に感動するのと。
もう思い出すだけで涙が出てきます。
ドクター視点に立つと、エイミーと二度と会えないという、すごく辛いエンディングであると同時に、エイミーとローリーは過去の世界で幸せに暮らし、人生を全うすることが出来たわけですから、そういう点ではまあハッピーエンドと言えなくもない……二人ともすぐ死んだわけではないですから。
しかしやはり辛いですね、別れというものは。
私はいつもいつも、ドクターが「アメリア・ポンド」と呼びかけるたびに、なんとも言えず泣きたい気持ちになってました。
エイミーのことが、幼いアメリアのことが、愛しくて愛しくてたまらないのだろうと。
ポンド夫妻の降板には、当分ダメージを引きずりそうです。
感動をありがとう、エイミー。ローリー。
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